セブ島といえば青い空に青い海。マリンスポーツにアイランドホッピング、、、
親子留学でいらっしゃる方はたくさんのアクティビティがあり、週末になるたびにどこへ行って子どもたちと楽しく過ごそうと考えてしまうのはないでしょうか。
その中で、親子留学でセブ島へ来た方に絶対に訪れてほしい場所NO.1がこの記事でご紹介するカオハガン島です。
私はセブ島に住み始めて約6年、子育てをはじめて約5年になります。いろいろなところへ行きましたが、今回カオハガン島に宿泊し、この島の所有者である崎山さん、運営をされているよしえさん、ゆうこさんとお話しする機会をいただいて、セブ島で親子留学をするなら絶対に訪れてみてほしい場所だと思いました。
なぜなら、カオハガン島には人生を豊かにするためのヒント、そして子育てに関するヒントがちりばめられているからです。
この記事の目次
1.カオハガン島とは
カオハガン島の概要
セブの空港のあるマクタン島の港からバンカーボートに乗って約30分ほどのところにある、人口650人ほどの小さな島。歩いて回っても15分ほどで1周できてしまうこの島のほとんどは緑で覆われています。
特筆すべきなのは、島の所有者が崎山克彦さんという日本人であり、その崎山さんが島の人々と共に生きていらっしゃることです。
先日カオハガン島を訪れた際の動画はこちら。カオハガン島に流れる穏やかな時間と空気感が感じられる動画になっています^^
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崎山さんとカオハガン島の歩み
1987年6月崎山克彦52歳の時、22年間勤めた、英文で異文化を紹介する国際出版社「講談社インターナショナル」社を退社。
1987年9月崎山が、ダイビングのために訪れたフィリピン、セブ島沖で「カオハガン島」に出会い、その美しい海洋の自然に魅せられる。そして、島が売りに出されていることを知らされ、その場で購入を決めてしまう。1995年6月崎山の初めての著書「何もなくて豊かな島」が新潮社から出版され、上製本、文庫本の両方で販売数が20万部を越え、ベスト・セラーとなる。このころから、カオハガンへの一般の宿泊客が多くなり始める。
2013年4月未来のカオハガンのあるべき姿を、島民、そして若い世代と考える「カオハガン2050」という長期計画をスタートさせる。それを執行する非営利組織「Association for Chaohagan 2050」を発足させる。ーカオハガン島公式HPより一部のみ抜粋ー
崎山さんのプロフィールとカオハガン島とのあゆみを詳しく知りたい方は公式HPへ
この記事の最後に、私が崎山さんのお話を聞いたものを記載しています。
その時の感動を自分のために残しておきたいと、その日のうちに書いたメモのようなものですが、そちらもお読みいただけるとうれしいです。
2.親子で楽しむことができるカオハガン島アクティビティの5つ
さて、私が崎山さんのお話に聞き入っている間子どもたちはどうしていたかと言うと、目の前にハンモック、砂浜、海、犬が見えているものだから、1人また1人とお庭に飛び出していきました。
大人の話なんてすぐに耳に入らなくなってしまうくらい、カオハガンはとっても魅力的な島なのです。
(ここで紹介するのは一部なので、現地でまた確認してみてくださいね。)
1. ビーチで水遊び
島にはとてもきれいな砂浜と透明な水に囲まれたビーチあがり、シュノーケリングがまだできないお子さんでも水遊びが十分楽しめます。うちの息子もシュノーケリングはまだ難しいようなので、ビーチで遊びました。2日目の午前中は貝をひろったり、ヒトデを並べてみたり、浮き輪でプカプカしたり。
2. シュノーケリング
シュノーケリングができるお子さんは是非参加されるとよいと思います。
1人600ペソという格安なのもうれしいです。
熱帯珊瑚礁保護区として生態系を保護しているため、餌付けされていない魚を見ることができるのだそうです。参加された方によると、船の音になれていないためか、魚が慣れて出てくるまで時間がかかったとおっしゃっていました。本当に自然のままなんですね。
3. 釣り
一緒に行った方たちが釣りをされていて、1時間ちょっとの間にこぶりな魚をたくさん釣ってきてくれて、そのまま素揚げにしてランチに出してくれました。とっても美味しかったです!
4. ココナッツオイル作り
食べてもいいし、スキンケアや髪の毛につけてもよいと言われるココナッツオイル作りを体験できます。私はこのオイル作りに参加しました( ^^)
ちなみに息子は全く興味がなかったようで、その辺でふらふらと子どもたちと遊んだり、犬を眺めていました。
ココナッツオイルの作り方はこんな感じでした。
- 乾燥させたココナッツの実の部分を削り、そこからココナッツミルクを絞り出す
- 強火で炊き続ける
- 白いココナッツミルクが分離して、オイルと揚げカスののようなものになるまで煮詰める
透明な段階で取り出したものはスキンケア用、もっと煮詰めて飴色になったものは食用にするのだそうです。
オイルを作るときに出たサクサクのおやつ(揚げカス)をその場で食べられるのと、出来上がったオイルも持って帰れるのがうれしいです。
5. カオハガンキルト作り
島の女性たちが思い思いにカットした布を自由に縫い付けていくスタイルのカオハガンキルトは、一般にいう「キルト」のように精密な構図があるわけでは無く、1枚1枚がオリジナルで世界にひとつしかない素敵なものです。カオハガンキルトをあしらった子ども用のTシャツがとても可愛くて息子に買おうとしたら、「僕おもちゃがいい」と。。。
こちらのキルト制作の体験もできるそうです。
3. カオハガン島で見つけた3つの子育てのヒント
1つ目: 「”何もない”がベースの子育て」
カオハガン島では、大人たちが子どもたちに与えているのは愛情だけなのでは?と思うくらいシンプルでした。小さい子の面倒をほんの少しその子より大きい子どもがみて、大きい子どもたちは白いご飯をもって海へ歩いていき、ウニを見つけて混ぜて食べる(ある意味贅沢ですが)。
日中、大人が子どもたちにかまっている様子はほとんど見かけませんでした。
そういえば、息子の優磨が生まれた時に思ったのは「この子が元気で笑っていてくれさえすればそれでいい」ということでした。けれども、大きくなるにつれ、あれやこれや口を出したり、何かができることを望んだり、将来のためにいろいろ考えたり。。。
島での生活は、電気も水道もなく(ある場所もあります)、まさに“何もない”がベースで、“あること”は特別なのです。そんな生活をする人々を目の当たりにすると、自分がいかに”あること”に慣れてしまい、それに満足できなくなって”もっともっと”となっているか思い知らされます。
それは子どもたちに対しても同じで、ただ元気に笑っていることに満足せず、どれだけたくさんのことを求め、手を出し口を出し、そして四六時中心配したり考えたりしているのかと思い知らされます。
そんなに大人があれやこれやしなくても子どもたちはすくすく育つものなのではないかとここへ来て考えさせられました。
2つ目: 「ひとりでしない子育て」
日本では”ワンオペ”という言葉が示すように一つの家族のしかも母親だけが家事と育児と時には仕事や介護も責任を負うことが多いです。そしてどれかがうまくいかないだけでまるで母親失格、嫁失格のような気持ちになります。
一方、カオハガン島は、誰の子という意識がなくみんなで育てるという感覚が残っているそうです。誰の子でもなく神様から授かった子というのが正しいかもしれませんが。(フィリピン全体でも残っています。)
もともと人間の歴史の中では、集団で子育てをしてきた期間の方が圧倒的に長く、ひとりで子育てするようにはできていないそうなのです。
こうやってみんなで育てるコミュニティにいることは、大人でさえ何とも言えない心地よさや安心感があります。みんなに自分も子どもたちも愛されてる。それが言葉がわからなくてもひしひしと感じられるというか。
日本に帰ったらまたワンオペに戻るかもしれませんが、それでもカオハガン島で”自分がみんなに愛されている”と感じられる経験は親子共に何物にも代えがたいものになると思います。
3つ目: 「日本の子育ては数ある中のひとつ。世界には全く違った生活や子育てをしながら幸せに暮らしている人々がいる」
私にとって、カオハガン島で暮らす人々の生活を知ることができたのは、本当に得ることの多い経験となりましが、それならこの島に移り住むか?と言われれば、今すぐにはしません。
けれども、日本と全く違う子育てをしている人々がいて、電気や水道もない、十分な教育施設もない、それでも幸せに生きている人々がいると知ることはすごく重要な経験になりました。
日本にいると、当たり前のように学校へ行き、就職して毎日会社へ行く。そうでなければ”落ちこぼれ“のように思われ、そうでなくても自分自身を責めるのではないしょうか。
私自身、転職した会社が女性社員だけに昼食を作らせるような会社で、毎日終電で帰っていましたが、「すぐに仕事を辞めたダメな人間」と思われるのが嫌でなかなかやめることができませんでした。
みんなと同じでなければならない。競争に勝ち抜いてなんぼ。
でも、日本からたった5時間のフィリピンには、高等教育を受けていなくても、就職していなくても、自分の力で生活し、幸せに暮らしている人がいます。そのことは、日本の子育ては、自分の子育てはたくさんある中の一つでしかなく、世界を見たらまた違った生活があって幸せに暮らしている人々がたくさんいるのだと教えてくれました。
だから、自分に合わないと思ったら他の方法や環境を探せばいい、子育てに正解があるわけでは無く、自分と子どもに合った子育てを探せばいいのだと教えてくれました。
4.親子でカオハガン島へ行くなら事前に確認しておきたいこと
電気も水道もない!?と聞くと親子特に小さいお子さんがいれば、行くことをためらわれるかもしれません(カオハガンハウスには水道はあります。電気は17:00~22:00まで使えます)。しかし、実際に私は4歳の息子と、11カ月の娘を連れていきましたが、素敵な経験ばかりでした。現地での滞在の様子や気を付けるべきことなどを載せておきますので、是非ぜひ足を運ばれてください!
宿泊施設・食事・治安面について
- 宿泊場所
島にひとつだけある宿泊施設「カオハガンハウス」には専用のシャワーが付いていて母屋の一角にある「マスタールーム」、同じく専用のシャワー・トイレついているけれど母屋から独立して建てられている「コテージ」、、現地の人々とおなじ高床式の家でトイレ、シャワーが別棟になる「ロッジ」の3種類になります。親子で滞在される方には「マスタールーム」がおすすめです。スタッフの方がすぐ近くにいるのもそうですし、ここで暮らしていらっしゃる崎山さんよしえさん、ゆうこさんとお話できるチャンスが多いのが何よりもお勧めする理由です。コテージもロッジもとっても素敵なんですけどね♪ - 食事
必要な食事は費用に含まれておりカオハガンハウスの母屋で皆でいただきます。フィリピン料理の中でも日本人の口に合うようなものを選んでくれているのがわかりました。4歳の息子も、食べられないもの(辛いもの)もありましたが基本的においしくいただきました。引き潮の際に磯歩きをしながら取ってきたウニが食卓に上がることも! - 治安
島に入るとみんな知り合いという感じなので治安に不安を感じることは一切ありません。
設備・衛生面について(心しておいていただだきたいこと)
- クーラー、扇風機がないので暑い
これはもうそういう場所に行くのだ!ということで、それも含めて楽しめばいいと思います。と言っても子どもたちはそんなことは理解してくれないので、私はどうしたかというと日中は暑ければ海に入り、それ以外もとにかく子どもたちをたくさん遊ばせました。そのかいあって、夜は暑くてもコロっと寝てくれました。むしろ眠れなかったのは私の方で、朝方の涼しい風に変わるまで暑さで何度も起きました。そんな時にはちょっとお部屋から出て空を眺め、海の音を聞き、とても静かな時をすごしました。
- シャワー・トイレは日本と全然違う
セブ島も基本的に同じですが、シャワーの水圧は低いです。そして、トイレに紙は流せません。時にはバケツに水をためてそれでトイレを流す必要があるときもあります。
- ハエが多い
食事時になるとどこからともなく現れます。これは私たちの力ではどうにもならないので、あきらめるのが良いと思います(^^)
日焼け&虫よけ対策は万全に
必ず日焼け止めを塗ってから遊んでください。
日焼け止めを塗らずに遊ぶと、肌が日焼けを通りこしてやけどの状態になります。今までカオハガン島ではありませんが、やけど状態になって病院の先生に診てもらった人を何人も見ているので気を付けてください。また、フィリピンは蚊を媒体として発症するデング熱とマラリア(マラリアはほとんどありません)にかかる可能性があります。虫よけを使う、袖のある服を着るなど、できるだけ蚊に刺されないように気を付けましょう。
カオハガン島宿泊にかかる費用(親子版)
カオハガン島を訪れるには事前に予約が必要です。(※前述しましたが、港へ行けば船が出ているというわけでは無いので気を付けてください。)時間が許すならば、2,3泊されることをお勧めします。
- 宿泊費:
コテージ、マスタールーム:3,400ペソ(≒8,500円)/1人
ロッジ:2,200ペソ(≒5,500円)/1人 - 食費(夕食・朝食1食ずつ):
朝食:350ペソ(≒875円)/1人
昼・夕食:450ペソ(≒1,125円)/1人 - 空港〜カオハガン島までの送迎費:
・空港からカオハガン島への往復:1,500ペソ(≒3,750円)/1人
もしくは
・マリゴンドン港からカオハガン島までの往復:1,000ペソ(≒2,500円)/1人 - その他のアクティビティ代:
シュノーケリング:600ペソ(≒1,500円)
ココナツオイル作り体験(オイル込):400ペソ(≒1,000円)
他にもヨガや砂浜辺でマッサージ、カオハガンキルト作り体験などたくさんあります。 - お土産代:
カオハガンキルトや手作りの木の器など素敵なものが多いので少し多めに持っていくとよいでしょう。
カオハガンキルトをあしらった子どもようTシャツは950ペソ(≒2,375円)でした。
※1ペソ2.5円で計算
※セブシティからマリゴンドン港までの行き方
港の場所はこちら
セブシティからマリゴンドンポートまではタクシーで300~500ペソ(≒750~1,250円)程度ですが、追加料金を要求されることも多いです。心配な方はグラブタクシーを使うと安心でよいでしょう。
帰りはガイサノグランドモールというところまでトライシクルという乗り物で行き、そこでタクシーをひろいます。
引き潮の場合、船の乗り降りをするときに船まで浅瀬を歩く場合があるので、荷物は軽く、また、足元がぬれても大丈夫な服と靴で行くとよいです。
カオハガン島に持っていくもの(親子版)
普通の旅行と基本的なものは同じでよいと思いますが、船に乗船、下船する際に歩きづらかったり、引き潮の時には船と港の間の海の中を少し歩く場合もあるため、なるべく荷物は少ないほうがよいでしょう。
これだけは!というものを記載しておきますね。
- 日焼け止め(大人用/子供用)
- 虫よけ
- サングラス
- 大きめの布(日よけ用)
- うちわ※母屋にたくさん置いてあったので借りられると思います
- 応急処置セット(消毒液やバンドエイド)※こちらも借りられますが念のため
- 経口補水液の粉※フィリピンでも購入可
- 日傘※一緒に行った人に「ここで日傘?」と驚かれましたが、帽子をイヤイヤする娘を強い日差しから守るには会ってよかったと思っています
- 離乳食と子供用お菓子※うちの娘は日本米はおかゆにせずに食べられますが、フィリピンのお米は水分が少なくかためなのでレトルト、粉タイプの離乳食を持参しました
- オムツ※オムツが現地で手に入るか見てくるのを忘れました。オムツを履かずにすごしている子どもが多かったように思います。私も長く滞在するならオムツ無し育児をしてみたい!とちょっとした野望も生まれました
5.まとめ
以前の記事「今子育てについて思うこと」でも書いたのですが、私は子どもたちに
「自分が愛される価値のある人間であると感じてほしい」そして「自分で自分を幸せにする力を身につけてほしい」と願っています。
カオハガン島にはそんな風に特別に思わなくても、自然に子どもたちがそれらを手に入れられる環境があると思いました。
セブシティからでも1時間半ほどあればカオハガン島を訪れることができます。どんな方にもおすすめですが、親子留学で来られている方に、日本と違った”何もない”をベースにしたカオハガン島の子育てに触れてもらえたらと思います。
カオハガン島へ予約申し込み
カオハガン島宿泊の問い合わせ先はこちらになります。
※お電話かメールでお申し込みいただく形となります。
(株)アイランズ・ブルー
〒251-0045 神奈川県藤沢市辻堂東海岸1-10-18
TEL 0466-37-2525
FAX 0466-37-2425
E-mail info@islands-blue.com
6.追伸:崎山克彦さんとお話をして
島へ着いて最初にこの島の所有者である崎山さんのお話を聞く機会がありました。今までに何度も何度も同じ話をされてきたはずなのに、そして口調は穏やかなのに、崎山さんのお話には熱があって「この方は本当にカオハガンが好きで、島や島の人と共に生きていらっしゃるんだな」と、だからこそここには人々をこんなにも惹きつける魅力が残っているのだなと思いました。
※崎山さんのお話をもとに書いていますが、メモをとっていたわけではないので間違いがあったらごめんなさい。
30年ほど前に当時の物価で1,000万円ほどで購入されたそうです。もともと出版社に勤めていらっしゃいましたが、仕事に生きることを終わりにして次のステージへ進もうと思われていた頃に、この島に出会ったそうです。
島に上陸すると、緑の木々のなかに鮮やか花が咲いている。
透明の海に白い砂浜。こんなに美しい島はないと思った。
惚れたってことだね。
とおっしゃっていました。
崎山さんがこの島を購入されたころは、島の人々は島や周りの海で採れるものを食べ、足りないものは隣のボホール島にある「交換の市」で物々交換をすることで補っていたそうです。つまり、貨幣経済がなかったということです。また、家も、船も自分たちで作っていたそうです。
30年前といえば私が小学生のころです。そんなに昔ではない時に、日本から飛行機で5時間のこのフィリピンでまだ貨幣を使わないで生活をする人々がいたなんて信じられません。
崎山さんは、そんな島の人々の生活を尊重し、けれども足りないものは補うような形で島と島の人々と一緒に生きていこうとされました。具体的に言うと「教育」「医療」「少しの経済」を取り入れました。これらについて葛藤もあったそうですが。
島で小学校終了までの教育を受けられるようにし、奨学金を設けて優秀な人材はセブ島のほうで大学まで卒業できるように支援されているそうです。何人かは、教師や助産師として島へ戻ってきて働いています。大きな病気にかかった時にセブ本島の病院で見てもらえるよう、政府と交渉して全員がPhilhealth(日本の国民健康保険にあたるもの)に加入できるようにされました。そして、私たちが泊めていただいたホテルを作り、島での雇用を生み出すとともに外部から現金が入るようにもされました。
数年前にこの島の人々の1世帯のあたりの平均収入を調べたところ、1か月に9,500ペソ(約2万円ちょっと)で、統計により世界で最も貧しいとされている国の1/3だったとのこと。崎山さんは、それでもここの人々は本当に幸せそうなのは、感謝の気持ちを持っているからではないかと考えているそうです。
“無いもの”“無いこと”を見て嘆くのではなく、“あるもの”“あること”に感謝する。
神様や自然からいただいているものだからほかに欲しい人、必要な人がいればどんどんシェアしてしまうんだよね。
経済を取り入れたことにより、貧富の差というものもおこるようになったそうです。この島の何もない豊かさと経済をどのようなバランスで保っていくかはこれからの課題になりそうです。
これはほかの方がおっしゃっていたことですが、いきなり島の所有者が日本人になり、島民の反発はなかったのですか?ということに対し、「崎山さんは島民のためにずっと貢献されてきたから、感謝の気持ちしかないんですよ」と。
そういえばお話の中で、日本からスタディーツアーを受けるようになり、島の人々が生き生きするようになったとおっしゃっていました。ここに来る日本人は、島の人々から得るものがあって、「ありがとう」と感謝して帰るんです。それが、島の人々の自信につながっているという、うれしいプラスアルファがあるんです。自国の優れた技術を一方的に与えようとすると現地の人々の文化もプライドも傷がつく。それではだめなんだよとおっしゃていました。
崎山さんの一方的に何かを押し付けるのではなく、島民の力を借りながら一緒に生きていくというスタイルが今もこの島を“何もなくて豊かな島”であることを許しているのだろうなと思いました。
一緒に写真を撮ってもらえますかとお願いすると、もちろん!と。優しさが伝わってきてじ~んてしました。